今回は主にホームページ(Webサイト)をこれから作ろうと思っている方や、今あるホームページのリニューアルを考えている方向けの記事になります。
ホームページの作り方は非常にたくさんあり、あまり知識のない方だと、どれがいいのか、どうすればいいのか分からないケースがほとんどだと思います。
私は普段からWeb制作を行なっているため、知識はたくさん持っていたつもりでしたが、今回この記事を書くにあたって改めて調べ直してみると、知らなかったこともたくさんあり、非常に勉強になりました。
調べていくうちにどんどん長くなってしまいましたが、興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。
なお、記事の中にはSEOやCMS、Jamstackなどの専門的な用語が所々で出てきます。
以前にこのあたりの用語に関する記事は書いたので、気になった方はこちらの記事も読んでみてください。
- SEOとは?SEOの基本とSEO対策をする上で重要な考え方について(https://bbunta.com/blog/what-is-seo/)
- CMSとは?ホームページに必要?ヘッドレスCMSについても合わせて解説!(https://bbunta.com/blog/what-is-cms/)
- Jamstack(ジャムスタック)とは?Web業界のトレンド技術を紹介!(https://bbunta.com/blog/what-is-jamstack/)
ノーコードツール
近年はコードを書かなくてもサイト制作ができるツール(ノーコードツール)が増えたことにより、制作会社などに頼まずに自分でサイト制作をされる方も多くいます。
まずは代表的なノーコードツールであるWixとJimdoの紹介をします。
Wix(ウィックス)
ノーコードツールの代表格と言えばWixです。
Wixの特徴(メリット)としては以下のようなことが挙げられます。
- 世界中で利用されている
- 無料で始められる
- 900種類以上のテンプレートがあり、カスタマイズできる
- ドラッグ&ドロップ操作で手軽にホームページを作れる
- オンライン予約や、ネットショップなどの様々なアプリを簡単に組み込める
- セキュリティチームが24時間体制でサイトを監視
一方デメリットとしては以下のようなことがあります。
- 一度選択したテンプレートを途中で変更することができない
- 無料プランだと広告が表示され、独自ドメインの使用が制限される
- バックアップする機能がついておらず、サイトの移行が難しい
- 簡単なカスタマイズはできるが、高度なカスタマイズはできない
- SEOに関する高度な設定ができない
- ページの表示速度が遅くなりがち
Jimdo(ジンドゥー)
Wixとよく比較されるのが、Jimdoです。
世界ではWixの方が利用者が多いですが、日本ではJimdoの方が多いようです。
特徴も似た部分が多いので、Jimdoのみの特徴を挙げておきます。
- 日本で広く利用されている
- スマホで編集、更新が可能(Wixの場合はWixADIで作成した場合は可能)
- テンプレートの変更がいつでも可能
- WixよりSEOが強い
デメリットは以下の通りです。
- 電話サポートがない
- 無料版の場合、長期間のアクセスがないと削除される
- テンプレートの数がWixよりも少ない
- ページ数の制限がWixより厳しい
Wix、Jimdoのまとめ
Wix、Jimdo共に非常に便利で、手軽にホームページを作れますが、独自ドメイン、広告、機能、SEOなどの問題から、ビジネスで使うなら無料版は厳しいと思います。
私のようなコードが書けるエンジニアから見れば、物足りなさや、不便さ、料金の高さなどデメリットを感じる部分は多々ありますが、自分でノーコードで手っ取り早く作りたい方にはお勧めです。
プランも様々ですので、詳しいことを知りたい方は各公式サイトでご確認ください。
Wix公式(https://ja.wix.com)
Jimdo公式(https://www.jimdo.com/jp)
STUDIO(スタジオ)
WixやJimdoよりもデザイン性の高いサイトを作りたいという方はSTUDIOをお勧めします。
STUDIOは非エンジニアやデザイナーが手軽にオリジナルのWebサイトを制作できるプラットフォームで、近年非常に注目されています。
STUDIOの特徴(メリット)
- 無料で始められる
- テンプレートのデザインの完成度が高い
- ノーコードで細部までこだわったデザインを実現できる
- 管理がしやすい
- 日本生まれの日本の企業(問い合わせがしやすい)
STUDIOのデメリット
- 無料プランの制限が厳しい
- デザインは細かく作り込むことはできるが、制限はある
- 基本的な機能は実装できるが、実装できない機能もある
- テンプレートをカスタマイズしようとすると、コーディングの知識が必要になる
- 月間PV(ページビュー)数の上限がある
- 情報が少ない
STUDIOのまとめ
STUDIOはノーコードでデザインを作り込むことができるため、Webデザイナーを中心に人気を集めているプラットフォームです。
Webデザインに関する知識が全くないと、オリジナルデザインの制作は難しいので、その場合はSTUDIOが扱える制作会社やフリーランスのデザイナーに依頼する必要があります。
ベンチャー企業から上場企業、官公庁など、様々な規模・業種で導入されており、公式サイトもデザイン性が高いので、気になった方は公式サイトを見てみてください。
STUDIO公式(https://studio.design/ja)
ECサイト
ECサイトとは、インターネット上で商品やサービスを販売するWebサイトのことです。
ECサイトの種類は大きく分けると、Amazonや楽天市場のようなモール型と、自分(自社)でサイト構築をする自社サイト型があります。
WixやJimdoでも自社サイト型のECサイトを作ることはできますが、より販売に特化したサイトをノーコードで手軽に作りたい場合は、Shopify、BASE、STORESが有名です。
Shopify(ショッピファイ)
ECサイト制作する場合、選択肢としてまず出てくるのがShopifyです。
世界で最も有名なECサイトのプラットフォームで、利用者も年々増加傾向にあります。
Shopifyの特徴は以下の通りです。
- 無料テンプレート9種類、有料テンプレート60種類以上
- 月額費用:29〜299ドル/月
- 決済手数料:3.25〜3.9%
- Shopify独自のオンライン決済サービスの利用で、取引手数料、入金手数料が無料
- コード編集による、独自テンプレートの作成が可能
BASE(ベイス)
BASEは日本で人気のプラットフォームで、初めてECサイトを作る場合や、小規模なビジネスに適しています。
月額費用が無料のため無料で始められますが、その分、手数料が割高です。
- 無料テンプレート10種類、有料テンプレート100種類以上
- 月額費用:無料
- 決済手数料:3.6%+40円
- 取引手数料:3%
- 入金手数料:2万円未満750円、2万円以上250円
- コード編集による、独自テンプレートの作成が可能
STORES(ストアーズ)
BASEと似たプラットフォームですが、外貨が利用できないため、海外向けではありません。
無料から始められ、手数料はBASEよりも安めです。
- 無料テンプレート40種類以上
- 月額費用:無料、または1,980円
- 決済手数料:無料プラン5%、有料プラン3.6%
- 取引手数料:無料
- 入金手数料:1万円未満550円、1万円以上275円
- 外貨利用不可
- コードの編集ができないため、独自テンプレートの作成が不可
Shopify、BASE、STORESのまとめ
それぞれのプラットフォームで特徴はありますが、ECサイトでしっかり売り上げを伸ばし事業を拡大していくならShopifyがいいと思います。
売り上げがどうなるか分からず、費用を抑えてとりあえずショップを開きたい場合はBASEがおすすめです。
月商数十万円の見込みがある場合には、STORESがおすすめです。
Shopify公式(https://www.shopify.com/jp)
BASE公式(https://thebase.com/)
STORES公式(https://stores.jp/)
WordPress(ワードプレス)
世界で最も多く使われているコンテンツ管理システム(CMS)がWordPressです。
インターネット上のすべてのWebサイトの4割以上がWordPressで作られているというデータも発表されており、CMSを導入しているサイトに絞り込むと世界では62.8%、日本では82.5%がWordPressで作られており、ぶっちぎりの1位を獲得しています。(2024/4/21時点)
2位はShopifyなのですが、世界だと6.3%、日本だと2.8%程度なので、いかにWordPressがぶっちぎりなのかがよく分かります。
ちなみに、アメリカのホワイトハウスのWebサイトもWordPressで作られています。
ホワイトハウス公式(https://www.whitehouse.gov/)
WordPressの特徴(メリット)
以下に、WordPressの主な特徴を挙げておきます。
- オープンソース(無料)のソフトフェア
サーバーやドメインに費用はかかりますが、WordPress自体は無料で使用することができます。これが世界中に普及した大きな要因の一つです。
- 無料のテーマやプラグインが豊富でノーコードでも様々な機能を実装できる
WordPressのテーマは無料でも1万種類以上あり、有料だと数万以上と言われています。テーマに機能を追加するための無料プラグインも公式に登録されているものだけで6万以上あるため、これらを利用れば大抵のことはできます。
- コードが書ければ更に可能性は広がる
HTML,CSS,JavaScript,PHPといった言語が書ければ、完全にオリジナルのデザインのサイトが制作でき、機能も自由に付け加えることができます。
- 問題が起きた時に検索すれば、大抵答えが見つかる
WordPressは世界中で使われているため、何か問題が起きた時、新しく機能を実装したい時などにも、比較的容易に解決方法を見つけることができます。
WordPressのデメリット
WordPressのデメリットには以下のようなものがあります。
- 公開するまでに手間がかかる
大抵のノーコードツールは各プラットフォーム上で申し込みをすれば、サイト公開までが比較的容易にできますが、WordPressの場合はまずはサーバーの契約が必要になります。
多くの場合は様々なレンタルサーバーの中から、自分(自社)にあったサーバーの選び、契約します。その後は、サーバーにWordPressをインストールし、そこからテーマを選び、編集、公開といった流れになるため、手軽に公開までは辿り着けません。
- 公開しても手間がかかる
WordPressは公開して終わりではなく、システムやプラグインの継続的なアップデートの必要があります。場合によっては定期的にバックアップを取る必要もあるため、知識と時間、労力が必要になります。
- セキュリティ対策が必要
WordPressは世界でぶっちぎりのシェアを占めているということは、世界で最も標的にされやすいソフトウェアということもできます。セキュリティに関する知識が必要となるのはもちろん、必要な対策をとっておかないと、サイトを乗っ取られ、内容を書き換えられたり、大切なデータを盗まれたりすることもあるため注意が必要です。
WordPressのまとめ
様々なことができて非常に便利なWordPressですが、その分、知識が必要だったり手間がかかったりします。
そのため、WordPressでのサイト制作は、Web制作会社やフリーランスなどに依頼することがほとんどです。
ただ、制作会社や個人によってスキルやレベルは様々なので、制作を依頼する場合は、何ができるのか、どこまでやってくれるのかを、費用感を見ながら、しっかり確認することが重要になります。
WordPress公式(https://ja.wordpress.org/)
Jamstack
最後に私が普段使っているJamstackについても簡単に触れておきます。
Jamstackで作ったサイトは、開発者(私)が触る部分と、クライアント(お客様)が触る部分を完全に分けることができます。
クライアントはヘッドレスCMSと呼ばれるプラットフォームだけを触り、データの入力をしたり、編集をしたりします。
開発者はそのデータを引っ張ってきて、サイト上に表示させる部分を制作します。
このようにして完全に分けることで、セキュリティの高いサイトを構築することができます。
Jamstackの特徴(メリット)
- パフォーマンスを上げることができ、ページの表示速度がかなり早い
- デザイン、機能ともに柔軟性が非常に高く、自由なサイトを作れる。
- SEOに強いサイト制作が可能
- セキュリティレベルの高いサイト運営が可能
- 保守管理が楽
Jamstackのデメリット
- 人や会社によってスキルはバラバラ
- 人や会社によって費用もバラバラ(高くなりがち)
- 開発の種類によっては時間がかかることもある
Jamstackのまとめ
Jamstackは高品質、高機能なサイトを作ることができますが、その分費用が高くなりがちです。
Jamstackについてもっと知りたい方は、以前の記事で詳しく書いているので、よかったら読んでみてください。(https://bbunta.com/blog/what-is-jamstack)
まとめ
今回紹介させていただいたのは、あくまでホームページを作成するための代表的な方法です。
他にもホームページを作る方法やツールはたくさんありますので、気になった方は色々検索してみてください。
なお、タイトルにもある通りこの記事は2024年の最新版の記事です。
近年、IT技術の急速な進歩に伴い、ホームページ制作も年々アップグレードしています。
ある日突然出てきた技術やサービスが、あっという間に主流になることもあれば、今まで主流だったものがあっという間に廃れ、オワコンと言われるようになることもよくあります。
今のWeb制作の流れは、コードをバリバリ書くか、全く書かないかの二極化が進んでいます。
私はバリバリ書く方が性に合っているようなので、今後もバリバリ書く方を極めていく予定ですが、引き続きノーコードのアンテナも張り続けていこうと思います。
参考サイト
今回は多くのサイトを巡って調査をしました。
ここに掲載しているリンクはその一部で、特に参考にしたサイトです。
全般
https://www.websiteplanet.com/ja/website-builders/
Wix、Jimdo
https://kinsta.com/jp/blog/wix-alternatives/
https://www.profuture.co.jp/mk/column/44962
https://bties.co.jp/homepagenopro/free/jimdo.html
STUDIO
https://noroshi.design/blog/studio-wordpress
https://irodoru-web.com/homepage/studio
ECサイト
https://web-kanji.com/posts/shopify-compare
https://squareup.com/jp/ja/townsquare/shopify-vs-base
WordPress
https://kinsta.com/jp/wordpress-market-share/ https://blog.hubspot.jp/website/cms-share